連載 福祉テクノロジー12の課題⑥:福祉専門職の職業的アイデンティティの変化

12の課題全リスト

前回:12の課題⑤:「効率化」への恐怖が職員に蔓延している

テクノロジーの進歩によって、福祉職員や専門家たちの仕事内容やスキルは変化していきます。職員たちは、自分たちの専門性とテクノロジーの間に衝突を感じることがあり、そのために日常的にテクノロジーを使うことを避けてしまう場合があります。特に、利用者の自立支援を目的とするテクノロジーは、職員の専門性を脅かすものとして見られることがあります。

ああ

テクノロジーの進歩により福祉の仕事は変化していく。特に自立支援テクノロジーは職員の専門性を脅かすと感じられる場合がある。

この課題に対して、組織体制・社会的要因・マネジメントの観点から下記のような対策が考えられます。

組織体制

A. テクノロジーに関するエビデンスの提供

新しいテクノロジーを導入する際には、そのエビデンスが福祉職員の専門性を支持するものであることが重要です。

B. 専門家の育成

優れたユーザーや専門家の育成を行い、彼らがリーダーシップを発揮して、なぜこのテクノロジーが良いものであるのか、どのように使うのかを他の人に示すことができるようにすることが大切です。
C. 専門的な役割に関する議論の促進

テクノロジーと専門性の相互作用に焦点を当てた、新しい専門的な役割に関する議論を主催することが必要です。

社会的要因

D. テクノロジーの導入による教育の改善

テクノロジーに関する教育を重視することで、福祉分野の基本的な教育課程を改善することができます。これは、福祉職員の大量募集に対処する上で重要です。

E. 地域での実践を基にした教育の推進

テクノロジーの活用を基本的な教育課程に取り入れるだけでなく、地域の実践的なプログラムを通じて明確にすることが必要です。

F. 基礎教育との協力

より密接な基礎教育との協力によって、テクノロジーが協力的な役割を果たすことが強調され、高い教育水準が確保されます。

マネジメント

G. テクノロジーを専門職の仕事に組み込む

福祉技術を専門職の役割に組み込み、テクノロジーが専門職を支援する素晴らしいストーリーを語ることが、特に管理職に求められます。

H. サービスレベルの変化

福祉分野の職員の仕事の前提条件を定義するのは管理職であるため、サービスレベルが変化することが許容されることを明確にする必要があります。

I. 技術で高齢者などの自立を支援する

福祉技術を用いて高齢者などの自立支援に貢献することを誇りに思う必要があります。

参照:12  UDFORDRINGER I FORBINDELSE MED VELFÆRDSTEKNOLOGI OG LØSNINGSFORSLAG : https://www.kl.dk/nyhed/2018/januar/kortlaegning-af-barrierer-og-udfordringer-i-arbejdet-med-velfaerdsteknologi/

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