連載 福祉テクノロジー12の課題⑤:「効率化」への恐怖が職員に蔓延している

12の課題全リスト

前回:12の課題④:福祉サービスの報酬体系にテクノロジー利用が含まれていない

職員にとっては、仕事を失う恐怖よりも、より忙しくなる恐怖の方が大きいのです。テクノロジー導入は、職員の日常業務や専門性に圧力をかけるコスト削減の一環と見なされます。特に専門職からなる団体は、テクノロジーに関するネガティブな話を広める傾向があり、それが特定の専門職グループのテクノロジー利用に対する態度に影響を与える可能性があります。ネガティブなストーリー伝播の度合いは、専門職によっても違いがあります。

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ああ

業務効率化と聞くと、

「今より多くの仕事をしなければならなくなる」

と考える人が一定数いるのも事実です。

この課題に対して、組織体制・社会的要因・マネジメントの観点から下記のような対策が考えられます。

組織体制

A.解放された時間的余裕をどう活用するか、職員を巻き込んで議論する

テクノロジーを導入した結果解放された時間的猶予を日常業務でどのように使うかについて、従業員を意思決定に参加させることが重要です。

B.専門職として利用者に費やせる時間が増加する

テクノロジーの活用によって、利用者に接する時間や専門性を追求するための猶予を確保できるようになるということを明確に周知する必要があります。

社会的要因

C.専門職団体の積極的な関与

専門職団体はこの課題に積極的に関与し、「テクノロジーは労働環境を改善し、専門性のサポートにも役立つ」というメッセージを発信していくことが求められています。

マネジメント

D.職種ごとのコミュニケーションの必要性

上記のメッセージを根付かせるためにはテクノロジーに携わるさまざまな職種ごとに合わせたコミュニケーションが必要です。

E.人材獲得時に明文化する

テクノロジーの活用がサービス品質の維持に必要になる可能性があることから、人材獲得においてもこの点を重視する必要があります。

F.「時間の節約は避けられない」

重要なポイントは、社会環境の変化に伴う時間の節約は避けられないことであり、それは「テクノロジーのせい」ではないということです。むしろ、テクノロジーは時間の節約によって従業員がより忙しくなることを防ぐためのツールと考えるべきです。

G.好事例を広める必要性

テクノロジー利用に関する良い事例を積極的に広く伝えていく必要があります。これは、職員の間に存在するテクノロジーと時間節約に関するネガティブなイメージを払拭するために必要だからです。

Make it stand out

テクノロジーは雑多な業務の時間を短縮し、

本来あるべき人との時間を確保するための物です。

参照:12  UDFORDRINGER I FORBINDELSE MED VELFÆRDSTEKNOLOGI OG LØSNINGSFORSLAG : https://www.kl.dk/nyhed/2018/januar/kortlaegning-af-barrierer-og-udfordringer-i-arbejdet-med-velfaerdsteknologi/

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